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2023/6/1

給与計算業務をアウトソーシングするときの注意点

期限もある中、ミスが許されず、処理も複雑な給与計算業務はプロにアウトソーシングすることによって、経理部門や総務部門の負担が大きく軽減されることになります。今回は給与計算業務をアウトソーシングするときの注意点について解説します。

 

給与計算のアウトソーシングとは?

給与計算のアウトソーシングとは、給与計算業務を外部に委託することをいいます。

給与計算業務は従業員のお金に直接関わる大切な業務で、ミスも許されませんし、業務が遅れることも許されない負担の大きい業務でもあります。アウトソーシングすることによって経理部門や総務部門の負担を大きく軽減することもできるでしょう。

なお、会計事務所に依頼する場合は、年末調整も付随してアウトソーシングすることもできます。

(おすすめ関連記事)給与計算業務をアウトソーシングするメリット

 

 

給与計算をアウトソーシングするときの6つの注意点

給与計算をアウトソーシングするときは次のような点に注意しましょう。

 

注意点1:アウトソーシングする範囲を明確にする

通常、給与計算や給与計算に関連する作業は次のような流れで行います。

 

・入退社処理

・勤怠集計

・給与計算

・給与明細書の発行

・金融機関への給与振込データの入力

・住民税特別徴収分の納税

・源泉所得税の納税

・有給休暇の管理

・社会保険の算定基礎届の提出、労働保険の年度更新

 

例えば、勤怠集計や給与明細書の発行を自社で行うのか、アウトソーシング先が行うのかでもコストや業務の流れが変わってきます。

まずは給与計算業務に関してアウトソーシングする範囲を明確にしましょう。

 

 

注意点2:事前に細部にいたるまで徹底的にすり合わせする

給与計算を行うには様々な要素が関係してきます。

各種手当や各種控除を漏れなく把握しておくことはもちろん、残業代などの単価の計算方法、端数処理はどうするか、遅刻・早退があったときの計算方法など細かく確認しておく必要があります。

また、どのような方法で成果物の提供を受けるかも決めておきましょう。郵送で受けるのであれば、その郵送にかかる期間も考慮した上で、スケジュールを決める必要があります。

 

給与計算結果の提供をデータで受ける場合は、必要なファイル、形式、データの提供方法まで細かく決めておきましょう。

 

注意点3:アウトソーシングを契機として業務フローの見直しするのも有効

 社歴の長い会社の場合、過去にあった制度に基づく手当を受け取っている人や控除を受けている人が少しだけいるということもよくあります。

 将来的にその制度を利用する人がいなくなるのであれば、アウトソーシングするタイミングを契機として、その制度自体を見直し、給与体系などをシンプルにしておくことも考えられます。給与や賞与の全部または一部を現金で支払っている会社も、手間がかかり紛失や盗難のリスクもある現金での支給から金融機関への振込に変更しておく方がよいでしょう。なお、手当を受け取っている人などにとって不利益な変更となる場合は、基本給に上乗せするなど代わりの手当をするなど、十分な手続きを踏んで行う必要があることに注意してください。

 

 

注意点4:カレンダーでスケジュールを確定しておく

 毎月の給与締め日、勤怠情報等給与計算に必要な情報の提供日、給与計算結果の提供を受ける日を決めていたとしても、実際にカレンダーに当てはめると、土日祝の関係で十分な作業時間が確保できないこともあります。

 総合振込で給与の支給をしている場合、一般的に、総合振込データの登録期限は給与支給日の数日前に設定されているため、登録期限のことも考慮する必要があります。

 直前に慌てることないように、直近数か月の給与計算にかかわる作業スケジュールについては、実際のカレンダーを基に決定し、共有しておくとよいでしょう。

 

 

注意点5:人事・給与にかかわる情報のやりとりは記録に残す

従業員の入退社、給与や控除の変更など給与計算に必要となる人事・給与関係情報のやりとりは毎月たくさん発生してくることでしょう。その都度、電話やメール・チャットなどで伝えると、伝え漏れや処理漏れが起こり、給与計算に間違いが生じる原因ともなってしまいます。

伝え漏れや処理漏れを防止するためにも、このような情報は一覧で提供するようにしましょう。クラウドストレージを使って、毎月必要な情報を共有すると効率的です。

 

注意点6:テスト期間を設ける

どれだけ念入りに準備をしたとしても、いざ実際に行ってみると、認識の相違などの不具合が生じてしまうことはよくあります。もし、テスト期間を設けずにアウトソーシングに移行していたとしたら、間違いが起きていることに気づかない可能性もあります。

最低でもテスト期間として1か月間は、アウトソーシング先に委託するとともに、自社で従来のやり方でも給与計算を行い、計算結果が一致しているかどうかを確認し、一致していない場合はその原因を確認するようにしましょう。

 

 

まとめ

給与計算をアウトソーシングするときの注意点について解説しました。給与計算業務はミスも遅延も許されない大切な業務。ここで説明した注意点はどれもとても重要なものです。注意すべきポイントを踏まえて、給与計算のアウトソーシングを行うようにしましょう。

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