経理お役立ちブログ
2022/11/19
決算の時期が来る前に! 慌てないために日々の業務から備えておこう
決算の時期は、経理担当者にとって1年のうちで最も忙しい期間です。1年に1度しかないため、決算を何度か経験していても毎回バタバタしてしまう、という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、決算時期の負担を少しでも軽くするためにできることについて紹介します。普段からタスクの多い経理業務ですが、決算がやってくる前から少しずつ準備をして、落ち着いて決算時期に臨めるようにしましょう。
決算とは
決算を経験したことのない方は「そもそも決算ってなに?」という疑問を持っているかもしれません。決算とは、その年の経営成績や財務状況について集計する作業のことです。税務署に申告書を提出して納税したり、銀行や株主に情報を開示したりするために行います。会社法によって、1年に1度の実施がすべての会社に義務付けられている、重要な業務です。
1.決算は何が大変なのか?
決算の大変なところは、期限が決まっていることです。決算の日の翌日から2か月以内に税務署へ決算申告を行い、法人税などの納税を済ませなければなりません。2か月と聞くと「結構時間があるな」と思う方もいるかもしれませんが、決算に関する業務と並行して通常の経理業務もこなさなければなりません。揃えるべき書類や確認作業、税理士とのやり取りなどもあるため、経理担当者にとって決算時期は忙しく、正念場の時期となります。
2. 決算の具体的な作業は?
決算の具体的な作業には、以下のものがあります。
・棚卸
・決算整理仕訳
・決算書作成
・申告書の作成・税務署への提出
・法人税などの納税
決算日を迎えるまでにできることは多い
決算で大切なことは、「会社の状況を正確に記録する」ということです。決算日以降でなければできないこともありますが、決算の前にできることも多くあります。詳しく見ていきましょう。
1. 帳簿と実際の在り高を常に一致させておく
帳簿は会社の活動の記録です。これを正確にしておくことが大前提となります。毎日正確な記帳ができていれば、決算のための修正も少なくなります。現金や預金、手形など、個別で帳簿を付けているものは、帳簿の残高と実際の有高を毎日一致させていきましょう。一致しない日があれば、その原因を明らかにしておきます。
固定資産台帳についても確認を行います。総勘定元帳を照合して、金額が一致するかどうか確かめましょう。固定資産は毎日動きのあるものではないため、廃棄や売却の処理が漏れてしまうこともあります。
「なんだ、そんなこと」と思う方もいるかもしれません。確かに当たり前にも思えることですが、帳簿は決算書作成の基礎となるものです。毎日正確な記帳を続けていれば、決算時期にスムーズに決算業務を進めることができます。
2.仮の勘定科目は早めになくしておく
経費を従業員が立替えていたり、出張旅費などで仮払金を渡していたりする場合は、早めに精算しておきましょう。立替金や仮払金は、一時的に使う仮の勘定科目に過ぎません。そのため、決算においてはなるべくなくしておくべきです。どうしても残ってしまう場合は、きちんと説明ができるようにしておきましょう。
3.スケジュールを立てて把握しておく
決算の時期は2か月あるとはいえ、すべきことは多いものです。また、製造部門などとの棚卸や税理士とのやり取りなど、経理担当者だけでは完結できない作業も出てきます。そのため、ざっくりとでもスケジュールを立てておき、関係者と共有して、作業を一つずつ終わらせていくことが大切です。
4.棚卸の準備をしておく
棚卸は、期末時点の実際の在庫の数量や品質を確認することです。在庫も資産の一つであるため、正確な数量を帳簿に計上する必要があります。あらかじめ棚卸表を準備し、棚卸に立ち会う従業員と流れを確認しておきましょう。
取引先に引き渡しているにもかかわらず検収が済んでいないものは、「売上未計収」として棚卸金額に含めます。また、破損や汚れによって通常の値段で販売できないものは評価損として計上する必要があります。棚卸に関するルールについても理解しておくとスムーズに進められます。
5.売掛金の回収漏れをなくす
支払いの期日が過ぎているのにもかかわらず、未入金の売掛金はないか確認しておきましょう。得意先が忘れているだけならすぐに入金されるかもしれません。回収できる見込みがない場合は不良債権として処理したり、貸倒引当金を計上したりと、別の作業も発生します。日頃から、入金日ごとに漏れはないか確認していくことで、決算時期の負担を減らすことができます。
まとめ
決算を迎えると、特有の処理も発生するため忙しくなるものです。しかし、日頃からきっちりと業務をこなして準備をしておくことで、落ち着いて決算を迎えることができます。通常の業務も多い経理担当者ですが、未来の自分を助けると思って、正確な処理を積み重ねていきましょう。決算時期の不要な負担を減らし、効率よく決算を進められるでしょう。