経理お役立ちブログ
2023/2/7
決算・開示業務をアウトソーシングするメリット
会計基準の複雑化、税制改正、インボイス制度対応など経理部門の業務は年々増えていく一方なのに、経営層には理解してもらえず、増員も困難。多くの会社でそのような状況に置かれているのではないでしょうか?
経理業務のアウトソーシング(経理代行)の中でも、決算・開示業務のアウトソーシングは、会社の状況によっては経理業務の改善に大きく寄与する可能性があります。今回は決算・開示業務のアウトソーシングについて解説します。
決算・開示業務とは?決算・開示業務のアウトソーシングとは?
一般的な会社で必要となる主な決算業務には次のようなものがあります。
各勘定科目残高のチェックと確定
現金の実査、実地棚卸、預金の残高証明書との照合、売掛金や買掛金の残高チェックなどを行い、各勘定科目の残高をチェックし、確定させます。
会計基準の検討
引当金、減損会計、資産除去債務会計、収益認識基準など会計基準に対応するために必要な検討を行い、資料を作成します。
決算資料作成
決算仕訳の根拠資料、勘定科目内訳明細書などを作成します。
税金計算・税務申告書の作成
税引前の試算表を基に税金計算を行い、税務申告書を作成します。
税効果会計
税金計算が終わったら、税効果会計の検討を行います。
連結決算
連結対象となる子会社がある場合には、連結決算を行う必要があります。
経営管理資料の作成
決算が固まったら経営層に提出する経営管理資料を作成します。
また、一般的な会社で必要となる主な開示業務とは、計算書類(事業報告書、附属明細書など)、決算短信、有価証券報告書・四半期報告書の作成といった開示資料を作成する業務のことをいいます。
決算・開示業務のアウトソーシングとは、これらの決算業務や開示業務の一部または全部を外部のアウトソーシング会社等に委託することをいいます。
決算・開示業務をアウトソーシングするメリット
決算・開示業務のアウトソーシングには次のようなメリットがあります。
メリット1:専門性の高い業務を任せることができる
決算・開示業務は、減損会計、資産除去債務会計、収益認識基準、税効果会計などの比較的難しい会計基準に関する知識が必要です。またこれらは、単に基準を知っているだけではなく、会社のビジネスに対する理解がなければ、必要な検討を行うことができません。
難しい業務をアウトソースして任せることによって、ミスを減らすこともできますし、業務の負担を大幅に軽減することもできるでしょう。
決算・開示のミスが許されない上場会社などであれば、一人が行った業務を別の者がチェックする体制を構築することが必要です。となると、同程度の専門スキルを持った経理人材が少なくとも2名は必要ということになります。
メリット2:業務量の一時的な増加に対応できる
決算・開示業務は毎月行う業務ではなく、四半期毎あるいは年度毎に必要となる業務です。一時的に増える業務のために常時経理人材を抱えておくことは難しいでしょう。そのため、多くの会社では、決算時期に残業で対応しているのではないでしょうか。
決算・開示業務をアウトソーシングすれば、平常時期を超える部分の業務を自社で行う必要がなくなるため、繁忙時期の残業を減らすことが可能となります。残業時間の削減によって労働環境が改善され、経理人材の定着率向上に繋がることが期待できます。
メリット3:最新の情報をキャッチアップできる
決算・開示業務を難しくするのが、会計基準や税制などの『改正』。何かしらの改正は毎年行われます。
自主学習を行っていたとしても、多数ある改正を漏れなく押さえることはなかなか難しいのではないでしょうか。
その点、決算・開示業務を専門にサポートしている者であれば、最新の情報をキャッチアップしていますから、自社に影響のある改正などを教えてくれることでしょう。
メリット4:退職時に困らない
決算・開示業務は高い専門性が必要であるとともに、会社のビジネスに対する深い理解も必要です。専門性が高く、会社のビジネスの理解もできる経理人材は、やはりどこかの企業で勤務しているはずですから、求職中の人材は少ないと思われます。
そのため、もしキーパーソンが退職することとなった場合、すぐに同等のスキルを持った経理人材を採用することができない可能性があります。
メリット5:専門家が作業するのですぐに始めることができる
決算・開示業務をアウトソーシングした場合、その専門性の高さから、通常は公認会計士や税理士といった資格者が作業を行うこととなるでしょう。このような専門家は、基本的には、業務の期限ややるべきこと、実施手順を理解していますから、一からやり方を教える必要もありません。委託すればすぐに始めることができるのも大きなメリットです。
経理業務のアウトソーシング(経理代行)にも大きなメリットがありますが、決算・開示業務はその専門性の高さと業務の実施時期の偏りから、会社の置かれている状況によってはさらに大きなメリットがあるでしょう。
決算・開示業務は誰にアウトソーシングすればいい?
決算・開示業務は高い専門的知識が必要となるものですから、一般的には公認会計士や税理士の資格を持つ者が直接業務を行うか、資格者の管理監督のもとで補助者が行うような体制を構築できるアウトソーシング会社、会計事務所・税理士事務所などに委託するとよいでしょう。
なお、税金の計算を委託する場合は、原則として税理士の資格を持つ者でなければなりません。
まとめ
ここで解説したように決算・開示業務のアウトソーシングは大きなメリットがあります。上場会社など規模の大きな会社であれば、決算・開示業務をアウトソーシングすることによって経理業務が抱える問題の多くが解消する可能性もあります。決算・開示業務でお困りの際は、アウトソーシングを検討するとよいでしょう。
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アウトソーシングの導入の流れについてはこちらの記事を参考にしてください。
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