経理お役立ちブログ

2024/4/2

経理業務の中でも重要な消込業務とは?負担を軽減させる方法を紹介

経理はお金の動きを記録するだけでなく、実際にお金を動かすことや、正確に入金や支払がされているかを確認することも必要です。適切に入金が行わなければ会社の資金繰りに影響することもあり、支払いの漏れがあれば取引先からの信用を落としてしまうでしょう。お金が入る場合と出ていく場合の両方について、現状を把握した上で動きを確実に捉えなければなりません。

この記事では、こうした消込業務の重要性を解説し、その難しさについても紹介します。その上で、消込業務を効率化するための方法にも触れました。ぜひ参考にして、経理業務の効率化に役立ててください。

 

消込業務とは

消込業務とは、将来的に動くと決まってはいるもののまだ動いていない状態のお金を把握し、動いたときに適切な処理を行うことです。消込業務の必要な具体的な勘定科目は、売掛金と買掛金、未払金や未収入金などが挙げられます。経理は発生主義で行う必要があり、お金の動きがなくても資産や負債が発生した時点で処理を行わなければなりません。発生したときとお金が動いたときのそれぞれに処理をしなければならないため、状態を正確に把握しておく必要があります。

 

例えば、売掛金が期限になっても入金されない場合は、得意先に催促を行わなければなりません。入るはずのお金が入らなければ資金繰りに影響することもあるでしょう。また、逆に期限を過ぎても買掛金を支払っていない場合は、取引先との関係に影響を及ぼします。金額が合っているかどうかのチェックも必要で、過不足があれば連絡を取って適切に処理をする必要があります。

 

また、消込業務を確実に行い現状を把握していなければ、入金済みにもかかわらず再度請求してしまうリスクも発生します。取引先との関係を悪化させかねないため、しっかりと処理を行いましょう。

 

 

消込業務の自動化が難しい理由

経理業務の中で重要な消込業務は、自動化が難しいものでもあります。その理由を以下で見ていきましょう。

 

入金日や支払日にばらつきがあるため

売掛金や未収入金の場合は、入金日が取引先によって異なる場合が多いでしょう。多くの会社では、決まった支払日にそれぞれの取引先にまとめて支払うという方法を採用していますが、支払日がどこも同じとは限りません。入金日は取引先次第になるため、いつどこから入金されるのかを把握し、期日にきちんと入金されているかを確認する必要があります。

また、買掛金や未払金についても、指定の日にちに支払わなければならない場合もあります。いつどこに支払うべきなのかを把握しておかなければなりません。このように、一元管理での対応が難しく、取引先それぞれに対応しなければならない点が、自動化が難しい理由の1つです。

 

複数の取引を一度の入金・支払で済ませることがあるため

締日などの関係で、2通の請求書で請求した金額が一度に振り込まれるという場合もあるでしょう。こうしたイレギュラーなケースはシステム頼みでは対応しきれず、結局担当者が確認する必要があります。こうしたことから、完全な自動化は難しいのが現状です。

 

専用システムの導入には費用や手間がかかるため

複雑な処理を必要とする消込を自動化するには、専用システムの導入が必要です。そのためには、柔軟な対応や設定のできるシステムを選ぶ必要があり、導入や活用には費用やコストがかかります。

 

 

消込業務を効率化するには

消込業務を効率的に行うための方法には、専用システムの導入やアウトソーシングが考えられます。それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。

 

専用のシステムを活用する

消込の自動化は難しいものの、消込を自動で行うシステムも存在します。銀行口座と連携させることで入金や出金の情報を取り込み、人の手を経ることなく消込が行われます。イレギュラーな入出金があっても、システムの学習によって次回から自動化できる機能や、入金期限を過ぎた請求について取引先に自動的に通知を送る機能を持つものもあります。システム導入の費用が掛かりますが、複雑な処理を自動化することで大幅な効率化が狙えるでしょう。

 

アウトソーシングを検討する

社内での消込業務が難しい場合は、アウトソーシングも選択肢の1つです。消込業務の自動化は難しいものの、作業自体は比較的単純であるため、「重要な業務にもっと時間を使いたい」と考える経理担当者もいるでしょう。アウトソーシングなら、経理業務をすべて任せることも、任せたい一部の業務を委託することもできます。特に時期によって繁閑のある会社であれば、必要なときに必要なだけの手を借りられるため、コスト面でも使いやすい方法といえます。

(関連記事)経理業務をアウトソーシングするメリット・デメリット

 

 

まとめ

経理業務における消込業務は一見地味な作業のようですが、確実に行う必要のある重要なものです。しかし効率化が難しいため、時間を取られてしまう担当者も多くいるでしょう。消込業務が経理業務全体の負担になる場合は、システムの導入やアウトソーシングを検討してみてはいかがでしょうか。

売掛金管理のポイントについてはこちらの記事も参考にしてください。

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