経理お役立ちブログ

2022/9/15

経理業務に役立つ資格・検定7選!有効活用してレベルアップしよう

経理業務は業務量が多く、専門知識や正確な処理が必要です。しかし、日々の一通りの業務に慣れてくると、スキルアップしたい、自分の能力を試してみたいと感じるようになる方は多いのではないでしょうか。経理分野には、そんなときに役立つ資格や検定が多くあります。

この記事では、現在経理を担当している方に向けた、役立つ資格や検定を紹介します。新たな知識や技能を身に着けたり、自分の強みや得意分野を伸ばしたりするために、ぜひ資格や検定を利用しましょう。

 

経理業務に資格は必要?

経理業務を行うために特別な資格は必要ありません。しかし、経理業務にあたるには専門的な知識が必要であるため、資格や検定を通して得た知識があれば業務を円滑に進められます。また、未経験の場合の経理への転職は難しいですが、資格や検定によって知識やスキルが証明できれば強みになります。

実務では、会社によって行う業務が限定されている、手順さえ分かっていれば業務をこなせるといった場合があります。この場合、行っている経理業務は網羅的ではなく、特定の会社でしか通用しないかもしれません。資格や検定に向けて学習すると、体系的な知識や技能を得ることができます。会計や経理を本質的に理解するには、資格や検定を利用するのが近道でしょう。

 

 

経理業務に役立つ資格・検定

まずは比較的手軽で難易度の低いものから始めると、モチベーションを維持しつつ日頃の業務に生かすことができます。ここでは、実務にすぐに役立つ検定について紹介します。

1. 日商簿記

「経理といえばこれ!」といっても過言ではないほど有名な検定です。実際に経理業務にあたるために必要なスキルや知識が学べます。

3級は商業簿記の基本的な知識を問うもので、小規模企業における経理書類の取扱いについて学べます。2級の出題範囲は商業簿記と工業簿記で、財務諸表から経営内容を把握して処理や分析を行うことのできるレベルにあたります。1級は極めて高度な知識が必要とされ、商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4分野から出題されます。加えて、初学者に向けた「簿記初級」「原価計算初級」も最近新たに創設されました。

企業での経理業務に求められるのは2級の知識といわれており、転職でも有利とされています。経理に配属されたばかりの方は、3級や簿記初級、原価計算初級などのテキストを実際に見てみて受験級を決めるといいでしょう。

 

2. ビジネス会計検定

簿記検定が財務諸表を作るための処理を学ぶものであるのに対し、ビジネス会計検定は財務諸表を分析し、理解することを目的としています。財務諸表からその会社の経営状況、財政状況、キャッシュフローなどが読めるようになり、企業の将来性や安全性を評価できるようになります。また、投資や新聞記事の理解などにも役立つため、経理以外の人にも有用な検定と言えるでしょう。試験は2,3級がマークシート方式、1級はマークシート方式と論述式で行われます。

 

3. FASS検定

経済産業省が開発した「経理・財務サービス・スタンダード」に基づいた、経理・財務分野の知識やスキルを測る検定です。実務に特化した試験で、資産、決算、税務、資金の4分野から出題されます。結果はA~Eの5段階で評価され、合否はありません。自分がどの程度のスキルを持っているかを客観的に知ることができる検定です。試験は試験センターにてコンピューターで行われ、四肢択一型で出題されます。

 

4. 給与計算実務能力検定

経理業務の中でも、給与計算の能力に特化した検定です。社会保険や税法、労働法令など幅広い知識が必要な給与計算の能力を証明するものであるため、実務経験がなくてもアピールに大いに利用できるでしょう。また、給与計算を学ぶことで、自分が得ている給与や天引きされる金額の内訳を知ることができ、仕事以外にも役立つ知識が得られます。2級はマークシート方式、1級はマークシート方式と記述式の試験です。

 

 

キャリアアップに役立つ資格・検定

経理の実務経験や知識が豊富な方の中には、さらに専門性を高めてキャリアアップしたい方もいるでしょう。ここでは、そんな方に役立つ資格や検定を紹介します。どれも難関ではありますが、独立開業やグローバルな活躍を目指すこともできる強力なものばかりです。

1. 公認会計士

公認会計士は、監査・会計のスペシャリストとして、企業の財務情報の正確さを保証する役割を持ちます。中でも監査は公認会計士の独占業務で、有資格者には独立開業する人もいます。監査が義務付けられている企業は資本金や負債の額によって限定されますが、会計や税務の豊富な知識を自社のコンサルティング業務に生かすこともできるでしょう。

 

2. 税理士

税理士は、税務のスペシャリストとして、申告や相談などの税務に携わる役割を持ちます。独占業務には税務代理、税務書類の作成、税務相談の3つが規定されています。監査と違って税務はどんな会社にも必要です。節税に関する知見も豊富であるため、会社経営において大いに役立つ資格です。

 

3. 国際会計検定(BATIC)

グローバルな活躍を目指す人や外資系の会社で経理業務を行いたい人におすすめなのが、国際会計検定(BATIC)です。世界標準の会計基準であるIFRS(国際財務報告基準、イファース)に沿って出題されます。会計の日本基準はIFRSへのコンバージェンス(収束)が継続的に行われています。今後も日本基準がIFRSにより近づいていくと見込まれるため、今から習得しておくと将来的に役立つでしょう。

また、試験はすべて英語で行われます。高いスコアを獲得できれば、経理業務を行うのに十分な英語力があることの証明となるでしょう。また、国際的に知名度のある検定であるため、外資系会社や国際的な事業を行う会社で高い評価を受けられる可能性もあります。

 

 

まとめ

経理業務に必要な資格や検定はありませんが、合格したり高スコアを得たりできれば、客観的に評価できるスキルの証明となりなす。また、不合格や低スコアの場合でも、受験に向けて学んだことは無駄にはなりません。待遇の向上やキャリアアップ、スキルアップはもちろん、普段の業務に役立つ資格や検定を、個々の目的に合わせて最大限に活用しましょう。