経理お役立ちブログ

2022/12/26

経理業務の効率化の方法を解説!限りあるリソースを活用して業務を回していこう

中小企業では、経理担当者が一人である場合が多く見られます。さらに、経理だけでなく総務や営業事務に携わっている場合もあります。人手不足により、一人あたりの業務量は増える傾向にあるため、効率的に業務を行うことが大切です。この記事では、経理業務を効率化するための考え方について解説します。

 

 

経理業務を効率化するにはまず全体を見よう

経理の効率化には、ツールを利用する、人材派遣やアウトソーシングを利用する、業務を減らす、といったいろいろな方法があります。しかし、ただ単にそれらを実行すればいいとも限りません。安易な応急処置にすぎない対応ではなく、業務全体を見て、将来的にプラスになるような方法で効率化を行う必要があります。

そのためにまず大切なのは、経理業務全体を見て、業務内容を洗い出すことです。すべてを把握・整理したうえで、新たなツールやサービスを導入したり、業務フローを削ったりすることが大切です。ピンポイントに効率化しても別の個所で非効率になるということもあります。そのため、最初に時間や手間のかかる方法ではありますがまずは全体の把握から始めましょう。

 

 

 

経理業務の内容を可視化する

まずは業務全体を把握するために、どのような業務があるのか書き出していきましょう。書き出すことで、業務量を視覚的に把握できます。日常的に行う業務のほか、月に1回、年に1回など頻度の少ない業務も漏れなく書き出していきます。

業務を書き出したら、実際の業務を思い出しながら、工程をさらに細かく書き出しましょう。書き出すうちに「この作業は無駄だな」「ここがいつも大変なんだよな」といった気付きが出てくることがあります。のちに業務内容を整理するためのヒントとなるため、気付いたことや感じていることも書き留めておきましょう。

 

 

 

経理業務の内容を整理する

次に、書き出した内容を整理しましょう。ここで活用したいのが「ECRS(イクルス)の4原則」です。ECRSの4原則は、もともと製造業の現場の業務改善方法として使われていました。しかし、現在はあらゆる分野の業務改善や業務効率化のためのフレームワークとして活用されています。ECRSの4原則には、次の4つの要素があります。

 

1.Eliminate(排除)

無駄な業務や工程はないか考えてみましょう。業務を効率化するには、不要な手間をなくすことが一番の早道です。「ずっとこの方法だから」と流してしまうのではなく、「なぜこの方法なのか?」「この方法で行う意味はあるのか?」と一つひとつ掘り下げて考えてみましょう。行う意味が不明瞭な工程は、思い切ってなくしてしまうことも考慮に入れる必要があります。

 

2.Combine(結合)

複数の工程をまとめたり連続させたりすることで、業務効率は上がります。別々の業務で同じような工程がある場合や、環境面やタイミングが似ている工程がある場合は、まとめて一気に済ませることで、時間の短縮や業務量の削減が期待できます。

3.Rearrange(再配置)

再配置とは、「組み替える」ということです。工程の順番を入れ替えたり、担当者を変えたりすることで効率化できないか検討してみましょう。場合によっては、工程の順番を固定せずに柔軟にすることを許容することで、スムーズに業務が進むこともあります。「ここからここまでは、できることから臨機応変に進める」という部分をあえて作ることも選択肢に入れてみましょう。

 

4.Simplify(簡素化)

工程を減らしたりツールを導入したりして、業務をさらに簡素にできないか考えてみましょう。例えば、会議をやめて、チャット形式の意見交換にすることや、クラウド会計ソフトと口座を連動させて、自動的に入出金データを取り込んで仕訳を作成することなどが挙げられます。また、経理のアウトソーシングを利用して、経理担当者の負担を減らすことも一つの方法です。

 

 

 

経理業務フローを再構築する

ICRSの4原則で改善点を考えたら、改めて業務フローを組み立ててみましょう。抜けや漏れをなくし、属人化を防ぐためにも、マニュアルを作ることがおすすめです。ツールやサービスを導入する場合は、ほかの業務に及ぼす影響や、導入に伴って不要になる業務、逆に必要になる業務も考えて業務フローを組み立てます。

業務フローができたら実際の業務に取り入れつつ、日々振り返りながら改善していくと、さらに効率よく業務を進めることができます。日常的な業務に加えて、月に1回、年に1回といった頻度の低い業務を行う時期もあるため、余裕を持って日々の業務を進められればベストです。業務フローはずっと同じではなく、状況に応じて柔軟に変化させていくという心持ちで進めることが大切です。

 

 

まとめ

経理の業務を効率化するには、まずは現状を正確に把握することが大切です。どんな便利なツールやサービスでも、取り入れさえすればうまくいくとも限りません。自社に合っているか、自社に必要なものか、過不足はないかなどを十分検討する必要があります。そのうえで必要と判断した場合は、クラウト会計ソフトや経理業務のアウトソーシングは有効な手段となるでしょう。

こちらの記事もぜひ参考にしてください。

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