経理お役立ちブログ
2023/3/18
経理業務のミスや不正を防ぐには?ミスを起こさない体制を作ろう!
経理の業務は日々のものや月次・年次のものなど、さまざまな業務を並行して行わなければなりません。一般的に業務量が多いため、ミスが起こりやすい業務でもあります。また、現金や通帳・口座情報を扱うため、不正をしようと思えばできてしまうという側面もあります。
この記事では、経理のミスや不正が起こらないよう、意識や体制を整える方法を解説します。ミスや不正にはどのようなものがあるのか、どのようなペナルティがあるのかも合わせて押さえましょう。
経理業務には正確性が不可欠
経理は会社の経営状況を把握するものであり、正確性が必須です。ミスや不正が発生すると、経営状況が正しく反映されず、利益の額に影響すれば納税額も変わってしまいます。ここでは、経理で起こりうるミスや不正の種類を押さえておきましょう。
経理のミス
経理業務では会計ソフトやエクセルなどへの入力の機会が多くあります。そのため、入力間違いや入力漏れが起こる可能性はゼロではありません。また、記帳すべき領収書の紛失などによって、経費の計上漏れが起こることもあります。
経理業務は膨大であるため、限られた時間の中で処理するにはスピードも大切です。早く処理しようとするあまり、入力間違いや入力箇所の間違いが起こりやすいものです。また、ずっと入力していると集中力が切れてミスをすることもあるでしょう。担当者の知識不足から、誤った仕訳を行ってしまう場合もあります。
経理の不正
不正とは、わざと誤った処理をすることです。売上を計上せず担当者が横領することや、粉飾決算などが起こっています。経営者が不正を把握していた場合は、脱税を疑われることになります。
ミスや不正のペナルティは?
ミスが原因となり、税金を本来よりも少なく支払っていた場合には、修正申告を行う必要があります。修正申告をすると、本来支払うべき税金に加えて「過少申告加算税」や「延滞税」などのペナルティが課されることがあります。
税務調査でミスが判明し、それが仮装・隠蔽と判断されれば、「過少申告加算税」よりも税率の高い「重加算税」を加えて支払い必要となることもあります。過少申告なら35%、無申告であった場合は40%と、その割合も高くなってしまいます。
不正の場合は単なるミスとは異なり、税理士や弁護士による調査、不正を行った本人や上司への処分などが行われ、刑事告発に発展することも少なくありません。横領の場合は本人からの弁済も行われます。粉飾決算は罰金や懲役が課されることになります。
経理業務のミスや不正を防ぐためには
経理のミスや不正が起きてしまうと、経営状況を正確に把握することができず、ペナルティが課せられることもあります。ここでは、ミスや不正を防止するために日頃からできることを紹介します。
発生したミスの振り返り
まずは担当者が意識して、ミスや不正を起こさないようにすることが第一です。不正はともかく、ミスは誰にでもあり得ることです。もしミスをしてしまったら、なぜミスをしたのかを考えて、メモをしたり見えやすいところに付箋を貼ったりして、同じミスを繰り返さないように努めましょう。
整理整頓、環境の整備
領収書等の紛失によるミスは、整理整頓して保管場所を決めておくことでカバーできます。何がどこにあるかがわかりやすければ、業務効率化にも繋がります。
また、業務を行っていると集中力が切れてしまうこともあります。集中力を維持するためには、適度に休憩をしたり、軽く体を動かしたりすることも効果的です。息抜きをしやすい環境を整えることで、良いコンディションで仕事ができるでしょう。
チェック体制・ルール作り
ミスや不正が起こらないチェック体制やルールを作ることも有効です。ダブルチェックのためのチェックリストを作っておいてもいいでしょう。すべての業務にルールを作るのは大変ですが、ミスが起こりやすい部分だけでもルールを作っておくと、ミスの可能性は低くなります。
また、ルールを作るには客観的に業務を見直す必要があるため、業務フローを効率よく改善できることもあります。さらに、誰でも業務を行える状態になれば、属人化の解消にも役立ちます。
システムの導入
会計ソフトや経費精算、帳票発行などの専用システムを導入することで、手作業を減らしてミスや不正を防止しつつ、効率化を図ることができます。例えば、会計ソフトと銀行口座やクレジットカードを紐づけることで、自動的に取引データが取り込まれ、仕訳の候補が作成されます。担当者はチェックを行い承認することで仕訳作業が完了します。このように、自動的に処理を進められるシステムを使えば誤った処理を行う可能性は低くなるでしょう。
まとめ
経理業務は、経営状況を正確に記録して経営判断に役立てるために行います。そのため、ミスや不正はできるだけ避けなければなりません。しかし、意識するだけでは間違ってしまうこともあるため、ミスや不正が起こらないような体制を作ることが大切です。近年、経理業務に役立つシステムやサービスが多く生み出されています。有効に活用し、ミスや不正のない正確な仕事を心掛けましょう。
自社でしっかりとした体制を作ることが難しいときは、経理業務のアウトソーシング(経理代行)を活用することも有効です。
こちらの記事も参考にしてください。
(関連記事)必要に応じて使える経理業務のアウトソーシング(経理代行)