経理お役立ちブログ
2023/6/29
経理の効率化に補助金が役立つ!活用方法を解説します
近年、経理業務を効率化するためのさまざまなツールが登場しています。会計ソフトはその代表的なもので、各種帳簿の作成や記帳作業を迅速に行えるため、今や経理業務に必須のツールです。しかし、費用がネックとなり、導入や最新のソフトへの乗り換えを迷っている方もいるのではないでしょうか。この記事では、会計ソフトの導入にかかる費用と調達方法を紹介し、さらにその中でも補助金をピックアップして解説します。
会計ソフト導入には費用がかかる
まずは会計ソフトの種類と費用感を押さえましょう。会計ソフトにはインストール型とクラウド型の2種類があり、多くの場合では出費のタイミングも異なります。しかし費用の総額はそこまで変わらないことが多いものです。どちらにしてもまとまった費用を考えておく必要があります。
インストール型
インストール型の会計ソフトは導入時に初期費用がかかりますが、買い切りのパッケージであるためランニングコストがかかりません。パッケージの購入には3~5万円程度かかることが多く、保守サポートを追加する場合は別途料金がかかることもあります。
ただし、大規模な会社ではインストール型のパッケージでは対応できず、オーダーメイドの会計システムを使う場合もあるでしょう。その場合の導入費用はさらに高額になります。
クラウド型
クラウド型の会計ソフトはクラウド上のサーバーにデータを保管するものです。サーバーはサービスの運営会社が管理しており、アップデートなどの手間も少なく始めやすいため、採用する企業が増えています。料金体系は月払いや年払いのものがほとんどで、1年あたりの費用は3~5万円程度と、パッケージ型と大きな違いはありません。しかし、規模の大きな企業向けのプランの中には、1年の費用が数十万円かかるものもあります。
(おすすめ関連記事)会計ソフトにはどんなものがある?種類と選び方について解説します
会計ソフトを導入するときにかかる費用の調達方法
会計ソフトにかかる費用は、基本的に自社のキャッシュを充てることが多いでしょう。高額なシステムを導入する場合は金融機関から借入をする場合もあります。これらに加えて、補助金も選択肢の一つとして考えることができます。国や地方自治体などによるさまざまな補助金の中で、目的や対象となる経費のマッチするものは有効活用しましょう。
会計ソフトの導入に適した補助金はIT導入補助金
数ある補助金の中でも、会計ソフトの導入におすすめなのが「IT導入補助金」です。会計ソフトもITを駆使したシステムの一つであり、インストール型・クラウド型を問わず補助の対象に入ります。内容を詳しく見ていきましょう。
IT導入補助金の目的とは
IT補助金は中小企業や小規模事業者を対象とした、ITツールの導入を補助するものです。導入によって、働き方改革やインボイス制度の開始などの制度変更に対応しながら、生産性の向上を図ることを目的としています。
対象となるツールは会計ソフトのほか、販売管理システムやECシステムなどもあります。これらは、事前に登録を受けたIT導入支援事業者を通して提供されるものでなければなりません。そのため、ツールのほかにIT導入支援事業者を選ぶことも必要です。
IT導入支援補助金にはさまざまな枠が設けられています。会計ソフトを導入する場合は、「通常枠(A・B類型」か「デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)」のどちらかが良いでしょう。
IT導入補助金の補助上限と補助率
枠や類型によって補助の内容が異なります。通常枠(A・B類型)とデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)の補助内容を見てみましょう。
枠 | 類型 | 補助上限 | 補助率 |
通常枠
|
A類型 | 5万円~150万円未満 | 1/2以内 |
B類型 | 150万円以上~450万円以下 | 1/2以内 | |
デジタル化基盤導入枠 | デジタル化基盤導入類型 | ~350万円 | ・機能要件1種類:50万円以内の部分で3/4以内 ・機能要件2種類以上:50万円を超え350万円以内の部分で2/3以内 |
(参考:IT導入補助金2023公募要領)
通常枠では導入するITツールの保有する要素である「プロセス」の数を満たす必要があります。A類型は1プロセス、B累計では4プロセス必要です。プロセスには「会計・財務・経営」「顧客対応・販売支援」「決済・債権債務・資金回収」など全部で7種類あります。会計ソフトのみの導入なら必要なプロセスの少ないA類型が利用しやすいでしょう。会計のほかにも、顧客管理や販売管理などの他の機能を含むシステムを同時に導入するのであれば、補助上限の高いB類型がマッチしているといえます。
デジタル化基盤導入枠のデジタル化基盤導入類型では、「会計」「受発注」「決済」「EC」のいずれかの機能を含んでいる必要があります。1種類を含む場合は50万円以下の部分の補助を受けられますが、2種類以上を含む場合は50万円を超える部分でも補助を受けられます。
さらに、前提として以下の内容を満たす必要もあります。
・gBizIDを取得すること
・情報セキュリティに取り組む宣言である「SECURITY ACTION」の「★一つ星」または「★★二つ星」の宣言を行うこと
・労働生産性を向上させる計画を立てること
・中小企業庁のデジタル化支援ポータルサイト「みらデジ」で「みらデジ経営チェック」を交付申請前に行っていること
公募要領は変更される場合があるため、詳しい内容は最新の公募要領を確認してみてください。
まとめ
会計ソフトは経理業務の効率化を考えるならぜひ活用したいITツールです。費用がかかるがために導入や乗り換えをためらっている場合は、IT補助金の利用をおすすめします。申請や事業報告などの手続きは必要ですが、費用を抑えて最新のITツールを導入できることは大きなメリットです。ぜひ一度公募要領に目を通してみてください。