経理お役立ちブログ

2024/12/19

経理業務のDX化が進まない理由とは?解決策をチェック!

日本全体のDX化導入率が高まっている一方で、経理業務におけるDXは思うように推進されていないのが課題です。経理特有のアナログな業務を改善することでDXへのハードルを取り除き、長期的な業務効率化につながります。この記事では経理DX化における主な課題とDX導入に向けた解決策を解説します。

 

経理業務ではDX化があまり進んでいない

国内企業の7割以上がDXの推進に舵を切っている一方で、経理部門ではDX化が思うように進んでいないのが現状です。

経理では記帳や帳簿管理などアナログな業務が多く、また、判子など独特の文化が残っており、紙媒体からのデータ移行にはコストがかかります。

また、機密情報保護の観点から経理業務では業務のリモート化が難しく、クラウド化が浸透しないのもDXが進まない大きな理由の1つです。

 

 

経理業務のDX化が進まない理由

日本全体で見るとDX化は活発で、「情報処理推進機構」公表の「DX動向2024」では、国内企業の7割以上が「何らかの形でDX化に取り組んでいる」と回答しています。

一方で、経理部門では記帳業務などアナログな業務がまだまだ多く、DX化が思うように進んでいません。

DX化にともなう課題を具体的に洗い出すことで、DXの導入に向けたアイディアを検討できます。

ここでは、経理のDX化が思うように進まない主な原因を見ていきましょう。

 

導入までのハードルが高い

「株式会社フレクト」がDX未導入の企業を対象にリサーチを行いました。「DX導入にあたって感じている課題」という設問に対しては、主に以下の理由が寄せられています。

 

  • 推進できる人材がいない(40.3%)
  • 予算がない(29.7%)
  • 開発できる人材がいない(27.3%)

 

また、「進め方が不明(19.3%)」が4番目に多い理由として挙げられており、社内リソースの不足がDX導入にあたっての大きなハードルになっている背景がうかがえます。

既存業務を整理し、社内リソースを充分に確保することがDX導入に向けた課題です。

 

業務の専門性が高くなる

DXの円滑な運用にあたっては専門知識を持った人材が必要です。DXは、導入が最終的なゴールではありません。一方、もともとのリソースが不足している企業では専門性の高いDX化に見合った人材の安定的な確保が難しく、その結果としてDX化に踏み切れない現状があります。

 

ノウハウの共有が難しい

一度DXを本格導入した場合、長期的なスパンでのノウハウ共有が必要です。

しかしDX化の土壌が整っていない企業では、ノウハウ共有が難しく、DX化がなかなか進まないという課題が残されています。

 

 

経理業務におけるDX導入の進め方

DX化が難しいと言われている経理業務でも、基本的なステップをおさえることでDXによる業務改善が可能です。

ここでは、一般的なDX導入のステップから、経理部門でのDX導入の方法を見ていきましょう。

 

DX導入の目的を共有

DXの導入では、明確な目的の設定が大切です。

「無駄な業務を削減して収益性を改善する」などのように、現状をふまえてDX導入の目的を設定して、全社員で共有しましょう。「なぜDXが必要なのか」が伝わり、その後の行動も変わります。

 

プランニング

実際にDXを導入する前に、綿密なプランニングが必要です。DX導入の目的を社員レベルで共有したら、目的に沿ってプランニングを行いましょう。

 

DXツールを選ぶ

プランニングによって「DXをどのように導入するか」が決まったら、それに見合ったツールを選定しましょう。

一般的なDXツールとしては「チャットワーク」などのビジネスチャットやオンライン会議システムなどが挙げられます。

経理部門であれば、会計ソフトなども必要です。

 

ツールの導入・運用

目的に見合ったDXツールが決まったら導入し、運用段階に入ります。運用前には自社研修などで対応可能なスタッフを要請しておくことも大切です。

ツールを実際使うことで、見えていなかった課題やハードルが浮かび上がります。

 

効果測定

ツールによるDX化が定着したら、数値による効果測定が必要です。収益性や業務効率などの目に見える数値だけでなく、社員の働きやすさなど、目に見えにくい部分もデータとして算出しましょう。DXの効果を、より正しく測定できます。

 

フィードバック

効果測定によってDX化の問題点が浮かび上がれば、フィードバックによって改善点を検討します。フィードバックには多面的な視点と専門知識が必要です。

さまざまな部署のさまざまな視点からフィードバックをもらいましょう。

 

 

経理業務でDX化を推進するポイント

経理業務のDXを正しい形で推進するためには、事前のシミュレーションやリソースの継続的なアップデートが重要です。

経理部門でのDX化に失敗しないためのポイントを見ていきましょう。

 

長期的なビジョンをあらかじめ明確化しておく

DX化は決して、短期的な業績アップを目的とした施策ではありません。DX化はあくまでも収益性改善の手法の1つであり、長期的なビジョンに支えられてこそその効果を発揮します。

また、ビジョンの意味を含めて共有することも重要です。単なるスローガンで終わらせないために、ビジョン設定は力を入れましょう。

 

トータルコストを具体的にシミュレーションする

DXの導入では長期的なコストシミュレーションが大切です。中小企業では50万~100万円、大企業の場合は1000万円以上が、DX化のために必要になる場合があります。

ツールの導入だけでなく、システムの保守点検などのランニングコストも含めたシミュレーションが必要です。

 

ツールを定期的にアップデートする

DX化のツールは、導入したらそれがゴールではありません。一度導入したツールは定期的にアップデートする必要があり、その際の費用もランニングコストに含まれます。

 

人的リソースの確保を継続する

DX化ではツールとともに人的リソースのアップデートも必要です。人的リソースはアウトソーシングや社内研修なども活用できます。

 

 

DX導入なら専門業者への委託がおすすめ!

DX化にはいくつかのステップがあり、リソースに乏しい中小企業には安定した運用が難しい部分があります。

コンサルティングなどの専門業者にアウトソーシングを行うことでDXのプランニングから運用、フィードバックまでを全面的に委託できるため検討しましょう。長期的な施策になるため、未来の大幅なコスト削減を目指して、初期投資することも必要です。

(関連記事)経理業務のDXにはコンサルティング導入を!メリットと導入方法、注意点を解説

 

 

経理部門でDXを正しく運用して業務課題をスピーディに解決!

仕訳や記帳など、アナログな業務が多い経理部門でDXを正しく導入すれば業務効率化につながり、長期的な収益性が改善できます。

明確なビジョンとプランニングにもとづいたツールを導入することでDXの効果の最大化が可能です。

不足しているリソースはコンサルティングなどでうまく補いながら、DXの運用で業務課題をスピーディに解決しましょう。