経理お役立ちブログ

2024/7/16

経理のDX化とは?メリットや実施するステップを紹介します

「DX」「2025年の崖」という言葉を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」では、DX推進の必要性が指摘されました。しかし、そもそもDXとは何なのか、いまいちピンと来ていない方もいるのではないでしょうか。

この記事では、DXの概要を解説し、経理におけるDXの必要性や方法について紹介します。DXは一つひとつのステップを経て確実に進める必要があります。ぜひDXへの理解を深め、今後の対応を考える上で役立ててください。

 

そもそもDXとは何か

DXとは、デジタル技術の活用によって、業務プロセスや製品・サービス、さらには企業風土や組織、人に至るまでを変革するとともに、競争上の優位性を確保することです。現代では技術の発展や世界の情勢、個人のライフスタイルなどあらゆるものが変化しており、ビジネスにも影響を与えています。こうした変化に柔軟に対応し、競争を勝ち抜いていくためには、これまでの方法にとらわれずにさまざまなものを変革していく必要があります。

デジタル技術の発展によって、従来はできなかったようなビジネスモデルや働き方が可能になりました。単なる効率化にとどまらず、新たな価値を生み出すためにデジタル技術を活用することが、DXにおいては重要です。

 

経理のDXでできること

経理においてもDXを進めることは可能です。経理のDXによってできることを、以下で詳しく見ていきましょう。

 

業務の自動化・効率化

デジタル技術を用いたシステムなどの導入によって、経理の煩雑な作業を効率化できます。経理では日常的に多くの業務が発生しますが、中には単調な作業もあるため、可能な部分は自動化や効率化を目指しましょう。

 

ペーパーレス化

経理に関するシステムを導入することで、従来は紙で管理しなければならなかった書類をデータで管理できるようになり、ペーパーレス化が期待できます。データであれば保管場所の確保は不要であり、必要なときに見つけやすいでしょう。

 

属人化の解消

経理のDXを行う過程で、属人化の解消が期待できます。DXを行うには、業務プロセスや課題点などを洗い出さなければなりません。その上で、業務をよりシンプルに標準化することで、特定の人材に頼らない仕組みを作れるでしょう。

 

リモートワークへの対応

導入するシステムによっては、これまで難しいとされていた経理のリモートワークも可能になります。クラウド型の会計ソフトや帳票発行システムを導入することで、時間や場所を問わず業務ができる仕組みを整備できるでしょう。

 

 

経理のDXを行うメリット

経理のDXによってさまざまな課題を解決することで、迅速な経営判断やリソースの確保、経理業務の透明性などにつながります。以下では、経理のDXによって得られるメリットを詳しく見ていきましょう。

 

リアルタイムの情報を経営判断に活用できる

会計ソフトをクラウド型のものにすれば、会社の外にいてもリアルタイムの経営状況を確認できます。入力・集計されたデータを踏まえて、よりよい経営判断ができるでしょう。経理担当者から経営陣へ情報を引き継ぐような手間も不要です。

 

コスト削減につながる

経理のDX化によって、人件費や残業代の削減が期待できます。より多くの業務が迅速に終わるようになれば、経理担当者の負担が軽減され、より重要性の高い業務に時間を割けるようになります。また、経費申請のシステムを導入して紙の申請から脱却すれば、経理だけではなく多くの従業員の負担を軽減できるでしょう。

 

人材不足を解消できる

DX化によって経理業務の負担が軽減されれば、少ない人数で経理を回せるようになります。経理の人材不足が課題である場合は、人材を増やすのではなく業務に掛かる時間を減らすことも解決策の1つです。また、リモートワークができるようになれば、経理担当者の働きやすさにつながるでしょう。

 

不正を防止できる

経理業務が属人化していると、細かい業務内容が特定の人にしかわからない状態になり、不正や改ざんが発生する可能性があります。DX化によって属人化を解消することで、迅速かつ透明性の高い経理業務ができるでしょう。

 

 

DX化を進めるステップ

DXといっても、何から始めればよいのかわからない方もいるかもしれません。DXは、できることから一つずつ進めることが大切です。以下では、DXを進める3つのステップを詳しく紹介します。

 

デジタイゼーション

デジタイゼーションとは、デジタル化することを指します。例えば、紙の書類をスキャンしてデータ化したり、勤怠管理をタイムカードではなく指紋認証にしたりすることが挙げられます。従来行ってきた作業を、デジタル技術を用いた方法に置き換えるのがデジタイゼーションであり、DX化の第一歩といえます。

 

デジタライゼーション

デジタライゼーションとは、デジタル技術を用いて特定の業務プロセスをデジタル化することです。例えば、請求書発行システムを用いて、請求データの集計や請求書発行、送付までの一連の作業をシステム上で行うことなどが挙げられます。ほかにも仕訳業務や給与計算など、ある業務プロセスを選んで、一連の業務をすべてデジタル化します。

 

デジタルトランスフォーメーション(DX)

DXはデジタルトランスフォーメーションの略後です。DXで最終的に目指すのは、部署を横断したビジネスモデルやプロセスの変革を目指すことです。前述したデジタライゼーションは個々の業務について行うため、一つの部署で完結することも少なくありません。DXではさらに幅を広げて、社内のより広い範囲におけるデジタル化によって、さまざまなものを一元的に管理できるような状態を目指す必要があります。

 

まとめ

DXによって、経理業務をはじめとするビジネス上のさまざまな課題を解決できる可能性があります。単なるデジタル化にとどまらず、一つの業務から部署、会社全体へと拡大させていかなければなりません。事業内容やプロセスを整理して効率化し、競争力の向上を図るために、ぜひデジタル技術を取り入れてDXに取り組んでみてください。