経理お役立ちブログ

2024/12/19

DX化によって経理の課題を解決!具体的な事例やツールも紹介!

経理部門はDX化があまり進んでいない業種として挙げられます。経理業務でも自社に合ったツールを有効に導入することでDXによる業務効率化は可能です。この記事では、経理のDXにともなう課題を整理しつつ、具体的な成功事例や必須のツールを解説します。

 

DX化が経理部門であまり進んでいない背景

世界的な業務効率化の流れもあり、日本でもDX化の必要性が高まっています。

各業界の取り組みによってDX導入率が高まっている一方で、経理部門ではまだまだDX化が進んでいないのが現状です。

ここでは、国内のDX導入率や経理部門特有の業務内容などから、経理でDX化が思うように進んでいない背景を解説します。

 

国内のDX導入率

情報処理推進機構が公表している「DX動向2024」によると、国内企業の7割以上が「何らかの形でDX化に取り組んでいる」と回答しています。

DX化の内容は「業務のペーパーレス化」や「業務ツールの見直し」が多く、日本では「DX化=業務のスリム化」ととらえられています。

 

社内全体でDXに取り組んでいる 18.1%
一部の部門でDXに取り組んでいる 27.0%
部署ごとに個別でDXに取り組んでいる 28.6%

 

経理部門ではペーパーレス化が進んでいない

日本全体ではDX化導入の流れが進んでいる一方で、経理部門単体で見るとDX化があまり進んでいません。

経理業務では仕訳や帳簿記入など紙媒体を使用する機会が多く、DX化による書類管理が難しいことが大きな理由です。また、日本の経理では書類への署名捺印など独特の文化が根強く残っており、アナログな業務もDX化を妨げる大きな要因となっています。

 

「DX=ペーパーレス化」ではない

日本企業の多くは「DX=ペーパーレス化」ととらえ、書類の削減やデータ化に取り組んでいます。しかし本来のDX化はペーパーレス化ではありません。

DX化の本質は、「業務効率化による生産性向上」にあります。既存業務を見直すことで無駄を削減し、より収益性が上がりやすい体質を作ることが本来のDXです。

ペーパーレス化を目的にせず、「業務効率化につながるアイディアはないか」と考えることで、経理業務のDX化も進展するでしょう。

 

 

DX化で経理業務はこう変わる!

経理業務でも工夫次第でDX化による体質改善が可能です。

ここでは、経理業務をDX化によって効率化するポイントを見ていきましょう。

 

書類の一元管理

DXによるペーパーレス化は、書類の一元管理による効率化につながります。

経理業務では日々、膨大な量の書類を管理する必要がありますが、それらをデータ化することで効率的な管理が可能です。

単なるペーパーレス化ではなく、端末同士をクラウドシステムでつなぐことでデータ共有がよりスムーズになり、また、重要なデータの紛失も防げます。

 

情報共有の円滑化

経理業務でDXを導入することで、社員同士の情報共有の円滑化が可能です。

「チャットワーク」などのビジネスチャットツールを導入すれば場所を選ばずコミュニケーションを取り合うことができ、重要な情報を長期間記録できます。

 

業務の効率化

DX化によって、経理の幅広い業務を効率化できます。DX化による効率化が有効な経理業務は以下の通りです。

  • 仕訳・集計
  • 給与計算
  • 請求書発行
  • 決算業務
  • 経費精算

これらの業務は従来、アナログな作業が中心でした。DX化による徹底したシステム化によって業務効率化につながり、作業負担を大幅に軽減できるでしょう。

 

 

経理部門でDX化を進める際の注意点

経理部門でDX化を進める際の注意点を見ていきましょう。

具体的なビジョンの共有

DXの導入にあたってはまず、ビジョンの共有が必要です。

「何のためにDXが必要なのか」を明確化したうえでビジョンとして共有することで、DXの必要性、方向性が社員全員に伝わります。

既存の業務を整理しておく

DXの導入前には問題点の整理が必要です。既存の業務をいったん整理し、問題点を可視化することで「どのような方向性のDXが求められているか」がわかります。

まずはスモールステップを意識する

DXを導入する際は、スモールステップによるスタートを意識しましょう。

はじめのうちは部署単位、あるいはさらに小さなグループ単位と限定された単位でDXを試してみることで問題点を整理しやすくなります。

また、スモールステップなら失敗も小さくなるため、スピーディなリカバリーが可能です。

成功事例を水平展開する

DXを導入する段階では、「他社の成功事例に学ぶ姿勢」が何よりも大切です。他社の成功事例をそのままマネるのではなく、「自社でも取り入れられる部分」を水平思考で検討することで自社に見合ったDXをデザインできます。

 

 

DX化推進の必須ツール

一般的なDXに必須のツールは主に以下の通りです。

 

  • Web会議ツール
  • RPA
  • オンラインストレージ

 

それぞれの使い方を見ていきましょう。

Web会議ツール

オンライン上で手軽にコミュニケーションが取れるツールです。「Zoom」や「チャットワーク」が代表的なツールとして挙げられます。

本格的な会議だけでなく、短いメッセージを残して共有することも可能です。

RPA

単純なルーティンワークをプログラムによって自動化してくれるRPAは、経理業務のDXでも役立ちます。

仕訳業務や記帳、伝票処理などの反復作業をRPAによって自動化することで大幅な行効率化が可能です。

オンラインストレージ

オンラインストレージを利用することでデータ領域を仮想的に拡張し、膨大な量のデータを一元的に管理できます。

また、クラウドシステムを通してデータを共有することでセキュリティが保たれ、社員同士でのスムーズな共有が可能です。

 

 

DX化推進の事例を参考に経理業務の課題を解決しよう

ペーパーレス化との相性があまり良くないと言われている経理業務でも、有効なツールや成功事例を活用することでDXの円滑な運用が可能です。DXの導入後は継続的に効果を測定することで自社に合ったDXをデザインできます。

他社の成功事例からアイディアをうまく取り入れて、自社ならではのDXを定着させましょう。

 

経理のDX化のメリットや実施方法についてはこちらの記事も参考にしてください。

(関連記事)経理のDX化とは?メリットや実施するステップを紹介します