経理お役立ちブログ
2023/9/12
今さら聞けない請求書の基本!インボイスの対応方法も解説します
経理業務を行う中で、請求書は発行することもあれば受け取ることも多い書類です。しかし、請求書を発行する法的な義務はありません。請求書は日常的になじみのある一方で、知らないことや曖昧な部分もあるのではないでしょうか。
この記事では、請求書に関する基本的なことを改めて紹介します。請求書をインボイスとして使う場合の記載事項や、請求書に関する注意点も解説します。この機会に、ぜひ請求書への理解を深めましょう。
請求書とは
請求書とは、商品やサービスの代金の支払を確実に受けるために取引先に向けて発行する文書のことです。請求書によって、事前に取り決めた条件で取引されているか、取引内容に関して相違がないかなどについて、支払う側と支払いを受ける側とが認識をすり合わせられます。
請求書の発行は義務ではなく、法律で定義されているルールもありません。しかし、請求について書面を交わしていなければ、言った言わないで争うこともあるでしょう。そこで、取引が存在することを証明し、相手とのトラブル防止するために使われるのが請求書です。発行すれば取引を証明する重要書類として扱われ、一定期間の保管が必要です。
請求書は売上や仕入、費用などの存在を証明するためにも必要な書類です。多くの会社では、請求書を受け取らなければ支払いを行いません。取引を証明する請求書は、税務調査においては細かくチェックされます。
請求書はこのように、発行に関する法律での定めがないとはいっても、実務を行う上で重要な役割を持っています。
基本の記載事項
請求書のフォーマットは定められておらず、会計ソフトや請求書作成システム、Excel・Wordや手書きなど、幅広い方法で作成できます。国税庁のホームページでは、請求書の主な記載項目として以下のように記載されています。
・書類作成者の氏名または名称
・取引年月日
・取引内容
・税率ごとの税込の合計金額
・請求書を受け取る事業者の氏名または名称
以上の項目を記載しておけば請求書として有効といえますが、多くの請求書ではこのほかにも以下のような項目を記載します。
・請求書番号
・請求書の発行日
・商品やサービスの単価・数量
・振込先
・支払期限
・請求金額の合計
請求書を発行する目的の一つは相手からの支払を確実に受けることです。そのため、支払に必要な情報は入れておきましょう。
インボイス請求書の記載事項
2023年10月からインボイス制度が始まります。それに伴い、インボイス登録している会社は請求書もインボイスに対応する必要があります。請求書をインボイスとして使う場合には、通常の記載事項に加えて以下の点を記載しなければなりません。
・登録番号
・商品ごとに適用した税率
・税率ごとに区分して合計した税込の請求金額
・税率ごとに区分した消費税額
会計ソフトを利用している場合は、インボイスへの対応ができるものも多くあります。従来と操作や画面表示が変わる場合もあるため、使い方を把握して慣れておくとスムーズに対応できます。
請求書をExcelなどで作成している場合は、新たな記載項目を追加したフォーマットを作っておきましょう。
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請求書に関する注意点
請求書については、記載内容や保管期間、押印などの注意点があります。トラブルにつながらないように、記載事項や押印の有無について取引先と相談したり、法律に沿った保管を行ったりすることも大切です。
記載内容について取引先と相談しておく
請求書には取引に関わる重要な情報を記載します。自社と取引先の認識がずれていたり、双方に思い込みがあったりすれば、トラブルとなる可能性があります。取引を開始するタイミングで、あらかじめ以下の点を相談しておくといいでしょう。
・締め日
・支払期限・サイト
・記載する発行日の指定の有無
・振込手数料の負担
・消費税の端数の扱い(切り捨て・切り上げ・四捨五入)
・発行方法(郵送・メールでの送付・専用のプラットフォームを使うなど)
保管期間
請求書の発行は義務ではありませんが、発行した場合や受け取った場合には保管しておく義務が発生します。個人事業主は5年、法人は7年の保管が必要です。なお、保管期間は事業年度の確定申告の期限の翌日から数えた期間です。事業年度の終了日から数えた年数でないことに注意しましょう。
ただし、法人で繰越欠損金のある場合は同様の起算日から10年間保管しておく必要があります。
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請求書への押印
押印は義務づけられているわけではありません。しかし、商習慣として請求書に押印をする会社も多くあります。また、偽造を防止の観点から見ると押印は有効な方法です。ただし、オンライン上での請求書のやり取りも広まり、省略されることも増えています。
まとめ
日々の業務でなじみの深い請求書は、取引を証明する重要な書類です。発行する場合も受領する場合も、適切な取り扱い方を知っておくことで不要なトラブルを防げるでしょう。インボイス登録を行う会社にとっては、インボイス制度への対応も大切なポイントです。請求書に記載してある支払や入金が終わったあとも、保管期間中は適切に管理し、税務調査に備えておきましょう。