経理お役立ちブログ
2023/9/12
経理でよくあるミスは?対処法と防止法を知っておこう
経理はお金や数字のデータを扱うため、日々ミスのないように注意しながら業務に取り組んでいる方が多いでしょう。しかし人間の行うことであるため、ミスが発生することもあります。ミスがなくならないとお悩みの方もいるのではないでしょうか。
ミスをなくすためには、まず経理のよくあるミスを知ることから始めましょう。加えて、ミスをした場合の対処法や日頃からできるミスの防止法も紹介します。
経理のミスの影響・リスク
経理は会社の経営状況や実績を記録する重要な業務です。正確な経理の処理は、経営者や各部門の適切な判断につながるでしょう。しかし、経理の処理にミスがあると、会社の状況を正確に反映できません。
長期間ミスに気づかなかった場合は、修正すべき箇所を特定するだけでも時間や労力がかかり、大幅なロスにつながるでしょう。
修正申告が必要になれば、過小申告加算税や重加算税が課されることもあります。場合によっては粉飾決算とみなされるかもしれません。支払に関するミスであれば、取引先からの信頼を失うこともあるでしょう。
このように、経理のミスにはさまざまなリスクがあります。慌ただしい中でも落ち着いて処理を行い、できる限りミスを減らさなければなりません。
よくある経理のミス
経理でよくあるミスにはヒューマンエラーが多いものです。まずはどのような業務でミスが発生しやすいかを押さえましょう。
入力ミス
会計ソフトやExcelなどへの入力では、キーボードの打ち間違いや入力箇所のミスが起こりやすいものです。経理には正確性が求められます。手入力でミスをゼロにすることは難しいですが、チェック体制を整えるなどして入力ミスを減らすよう努めましょう。
計算ミス
売上や仕入、経費などの計算ミスも、よくあるミスの一つです。電卓や表計算ソフトを使っていても、そもそも計算に使う数字が誤っている場合には計算間違いが起こることもあります。
二重計上
数値を二重に計上してしまうことも、経理でよくあるミスです。同じ領収書を二重に経費計上してしまうと、課税対象の金額が減ることとなり、支払うべき税金の金額が少なくなってしまいます。同じ内容の請求書を重複して発行して二重請求になってしまうと、取引先からの信頼を失いかねません。
書類の紛失
多くの書類を取り扱う経理では、書類の紛失にも注意が必要です。領収書や請求書など、取引の証拠となる書類は確実に管理を行う必要があります。取引の証拠がなければ税務調査で指摘されることも考えられます。
在庫の計上に関するミス
在庫を正しく計上できていないというミスもよく見られます。在庫は会社の資産であり納税額にも関わるため、正確に管理しなければなりません。実際はない商品を在庫に計上している場合は、顧客から購入の希望があっても応えられません。逆に、在庫があるのに計上していなければ、販売の機会を逃してしまいます。
固定資産の除却漏れ
すでに除却している固定資産が帳簿上に残っていることもあります。固定資産の状況は、固定資産税や償却資産税に影響するため、正確に管理しなければなりません。保有していない固定資産のために税金を支払うことのないよう、固定資産台帳や年に1回届く固定資産の内訳書を都度しっかりと確認しましょう。
法改正への対応遅れ
法改正によって、これまで許容されていたことが通らなくなることもあるでしょう。適切な対策を取らなければ、国や自治体から指摘を受けることもあります。法改正や制度変更に関する情報を収集して、早め早めに対応することが大切です。
支払に関するミス・相殺など
取引先への支払でミスをすることも考えられます。仕入や経費の支払日には、多くの取引先に対して同時に支払いを行うため、ミスが発生しやすくなります。また、同じ取引先について仕入と売上があり、両者を相殺する場合には、先方と認識を合わせて金額の間違いがないように処理しましょう。
経理のミスの対処法
もしミスをしてしまっても、焦らず落ち着いて対処しましょう。まずはどのようなミスが起きたのかを把握し、影響の及ぶ範囲を特定しましょう。具体的には以下のような場合が考えられます。
・経理で処理をすれば済む
・他部署への報告が必要
・取引先への報告・対処が必要
関係する範囲によって対処も変わります。まずは連絡や報告を行い、迅速に対応することが大切です。
ミスへの対処が終わったら、原因や今後の改善策も考えましょう。同じミスを繰り返さないように努めることで、ミスを今後に活かせます。
経理のミスを防止する方法
ミスを防止する方法は、個人でできることと組織でできることの2つに分けられます。個人でできることには意識に頼ることが多い一方で、仕組みの形成やシステムの採用など組織によるサポートも有効です。ミス防止のためにできることを見ていきましょう。
よくあるミスを把握する
自分がミスをしやすい業務や状況を知っておけば、より集中して慎重に取り組めるでしょう。ほかに経理担当者がいる場合は、苦手な業務をお願いしたり、大変な時に手伝ってもらったりできます。
集中できるような工夫をする
業務に集中できるような工夫も有効です。デスクの上が整理整頓されていれば、気が散る原因が少なくなり、紛失のリスクも減らせるでしょう。
集中力を維持するためには、体調管理や適度な休憩も必要です。睡眠不足や長時間の作業の中では集中力が低下してしまい、ケアレスミスを招くでしょう。基本的な生活習慣や定期的な休憩を心掛け、業務に集中できるような態勢を整えましょう。
マニュアルや業務の進め方を確認する
ミスなく業務を行うためには、一つひとつの手順を確実に行うことが大切です。そのためには、マニュアルを確認することも一つの方法です。慣れてくると流れが身につき、正確な業務を迅速に行えるようになるでしょう。
マニュアルがない場合は、業務を細かく分解して一つひとつ進めることで、達成感を得ながら確実に業務を行えるでしょう。
ダブルチェックを行う
ダブルチェックを業務の流れに取り入れることも有効です。処理している最中には気付かなくても、改めてチェックするとミスが見つかることもあります。一人の部署でない場合は、他の人にチェックをお願いしてもいいでしょう。
システムの導入や業務の見直しをして効率化を図る
業務量が多い場合は業務そのものを見直し、新たなシステムの導入を検討してもいいでしょう。とくに少人数で経理を回している場合は、システムを活用することで負担をぐっと抑えられます。
一人で経理を行っている場合は、非効率な業務の進め方に慣れてしまっていることもあります。改めて業務を見直すことで、より効率的な方法が見つかるかもしれません。属人化を防止・改善することにもつながります。
経理業務のアウトソーシングを検討する
改善方法を検討した結果、自社で経理のミスを防止する十分な体制を作ることができない場合は、経理業務のアウトソーシングを活用することも考えられます。経理のプロが必要な業務をタイムリーにこなしてくれるでしょう。
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まとめ
経理のミスは経営状況の記録や納税額に影響を及ぼします。取引先にも関わるミスなら、今後の信頼関係にも影響するでしょう。よくあるミスにはヒューマンエラーが多いため、ミスをしないように心がけるとともに、ミスをしにくい仕組みを作る必要があります。できることから取り組み、ミスのない経理を目指しましょう。