経理お役立ちブログ
2023/8/2
企業の成長に不可欠な予実管理のポイントを押さえよう
企業が事業を成長させていくうえで、予実管理が大切です。適切な目標を設定して、結果を振り返るというサイクルは、毎月継続して行うといいでしょう。この記事では、予実管理の概要と成功させるポイント、効率的に予実管理を行うための注意点を紹介します。予実管理について理解を深め、会社の成長のためにぜひ始めてみましょう。
予実管理とは何か?
予実管理とは、予算と実績を管理することです。あらかじめ立てておいた予算と実際の結果を比較して分析することで、経営目標に向かって正しく進んでいるかを把握できます。予算管理と呼ぶこともあります。
ただ目標を立てて振り返るだけでなく、予算通りにならない場合は原因を探って改善、予算通りであった場合も要因を調べて次に生かすといった、一連のプロセスを行うことが大切です。
予実管理の目的は?
予算管理の目的は、経営目標の達成に向けて進んでいるかを確認することです。具体的に予算を設定して実績と比較することで、何がどのくらい足りないのか、何がよかったのかなど定量的に分析できます。これは具体的な対策や改善方法を模索することにも役立ちます。
予実管理とは何をするのか?
予実管理には、大きく分けて3つのステップがあります。具体的な予実管理の流れを押さえましょう。
目標を立てる
まずは目標となる予算を設定します。予算がなければ実績と比較して管理できません。はじめに営業利益の目標を立てましょう。どれだけ利益を残したいのかを決めたうえで、どれくらい売り上げを確保すればいいのか、費用はどれくらいかけられるかを逆算していきます。
月次決算を行う
目標はスパンを決めて振り返ります。月次決算のタイミングで振り返るといいでしょう。そのためには月次決算で正確な数字を出す必要があります。月末を迎えたら迅速に月次決算を確定できるよう、迅速に処理を行いましょう。
予算と実績を比較して改善する
月次決算で確定した実績を、あらかじめ立てておいた予算と比較します。この作業を毎月行うことで、理想と現実の乖離を発見しやすくなります。
予算と実績に差があった場合は、なぜ差が生じたのかを分析します。売れていない商品や予算オーバーしてしまった費用など、どこにどのような問題があるのかを把握し、改善するにはどうすればいいか考える必要があります。分析したことは、これからの事業活動に活かしましょう。
予実管理を成功させるポイント
予実管理は一度して終わりではありません。継続して行うことで少しずつ改善を重ね、経営目標達成に近づいていくためのものです。そのためには、適切な目標を設定して定期的にチェックするというサイクルを回す必要があります。数値だけでなく行動の目標も設定することで、従業員それぞれがより具体的に行動を起こせるようになるでしょう。
部門ごとに適切な予算を設定する
予算は簡単に達成できるものでも難しすぎるものでもいけません。どちらもモチベーションの低下を招きます。実現可能で、努力すれば達成できる難易度の目標がよいでしょう。目標を目指して努力し、達成して喜びを得られれば次へのモチベーションにつながります。
短期的・定期的にチェックする
予実管理は経営目標を達成するためのものです。向かう方向が目指すべき目標と乖離している場合は、早めに気づいて軌道修正する必要があります。遅くなるほど対処が難しくなってしまうでしょう。そのため、短いスパンで継続的にチェックしなければなりません。
PDCAサイクルを回す
PDCAサイクルは以下のプロセスのことです。
・Plan(計画)
・Do(実行)
・Check(評価)
・Action(改善)
具体的には、予算を設定して実績を比較し、分析結果から次の予算や実績につなげていくというサイクルです。一連のサイクルを繰り返して改善を重ねることで、予算設定の精度が高まります。経営目標の達成に向かって、このサイクルを意識しましょう。
KPIを設定する
KPIとは、目標を達成するための行動指標のことで、プロセスごとに具体的に設定されます。数字の目標だけでなく行動の目標も設定することで、どのような行動をどれくらい取ればいいかの目安となります。
予実管理を効率的に行うには
予実管理を業務の中に取り入れるには、継続できる方法で無理なく行うことが大切です。具体的には、ツールの活用や突き詰めすぎないことなどがあります。予実管理に時間をかけるあまり、もともと行っていた業務がおろそかにならないようにしましょう。
自動化できるツールを取り入れる
予実管理を効率的に行えるツールの活用を検討してみましょう。予実管理に特化した予実管理システムのほか、会計ソフトの中には予実管理機能を持つものもあります。使っている会計ソフトの機能を確認してみるといいでしょう。さらに力を入れて予実管理を行いたい場合は、予実管理システムを比較検討してみましょう。
主な失敗例を知っておく
予実管理の失敗例を知っておくことで失敗を避けられるでしょう。主に以下のような例があります。
・差異分析が細かすぎる
・予算が適切でない
・予算にこだわりすぎる
実績を予算通りにすることは大切ですが、それが予実管理の直接の目的ではありません。予実管理によって現状を把握して課題を改善し、利益を確保することが最終的な目的です。予実管理は単なる手段であり、数字の比較を行いこれからにどうつなげるかが大切です。
まとめ
予実管理の一連のサイクルを回していくことで、会社の課題を見つけ改善させていくことができます。そのためには適切な予算を設定し振り返りを行うことが大切です。ただし、数字にとらわれすぎることも問題です。何のために予実管理をするのか従業員それぞれが理解を深め、細かい数字を追いすぎず柔軟に予実管理を行っていきましょう。