経理お役立ちブログ
2023/3/18
経理は将来なくなる?技術の進歩とこれからの経理とは
技術の発展は目覚ましく、将来AIに多くの仕事が奪われると言われています。経理には単調な入力作業やルーティンワークも多く自動化しやすいため、将来経理の仕事はなくなると考えている方もいるのではないでしょうか。この記事では、技術の進歩によって効率化されている経理の現状と、これから考えられる経理の必要性について紹介します。
経理業務は効率化が進んでいる
仕訳やデータの入力など、経理には単純な繰り返しの作業も多く、業務を圧迫している例もよく見られます。このような作業は自動化しやすく、近年の技術の進歩によって効率化が進められてきました。また、この流れを後押しする法整備も行われています。まずは経理の現状を見ていきましょう。
AIやRPAの利用
経理の効率化が進んでいる理由は、技術が進歩しているからです。会計ソフトに搭載されているAIによる自動仕訳や領収書の読み取りができるようになりました。RPAを使えば、複数のプロセスを設定された順番で自動的に進めてくれます。このように、行う単純な作業や繰り返しの作業は人間の手を介さずにできるようになってきました。この結果、経理業務において大きな割合を占めるルーティンワークの効率化が進んでいます。
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ペーパーレス化
帳票発行システムや経費精算システムなどによって経理業務はますます効率的に行えるようになっています。その大きな理由がペーパーレス化であり、書類をPC上で閲覧・管理できるため、紙の場合の管理コストを大幅に削減できるようになりました。また、紙の場合は保管場所が必要であり、運んだりファイリングしたりする手間や時間もかかります。ペーパーレス化によって、この点もカットできます。
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帳簿や書類の電子保存に関する法やシステムの整備
ペーパーレス化の流れを後押しするような法整備も進んでいます。1998年には国税関係帳簿の電子作成・保存を可能とする電子帳簿保存法が、2005年には国税関係書類のスキャナ保存を認めるe-文書法が施行されました。2022年1月には電子帳簿保存法が改正され、電子データでの保存が義務となるものも出てきています。このように、経理のペーパーレス化・業務効率化の流れは国を挙げて推進されています。
また、e-TaxやeLTAXなど、税金関係の手続きや申告もPCからできるようになっています。これによって、税務署や役所へ出向く時間も削減できるようになりました。
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今後も求められる経理の役割
技術の進歩や法整備によって、経理業務は効率化が進んでいます。しかし、今後経理の仕事が完全にAIやRPAに奪われるとは限りません。技術の進歩の可能性は無限大ではありますが、今後も人の処理が必要と考えられる業務について紹介します。
正確かどうかの確認
AIやRPAが優秀であっても、前提や定義が間違っていれば誤った判断をしてしまいます。そのため、自動で処理を行ったとしても、それが正しいかどうかの確認は人が行う必要があります。また、前提や定義を設定することも人でなければできないことです。
例外的な処理
AIは多くのデータからパターンを抽出することや、定型業務には長けています。例外的な処理も、繰り返すことで学習しますが、頻度が少なければやはり人の手を加えることが必要です。また、データを送付する、印刷して手渡すといった作業はAIやRPAにはできません。
経営状況の判断・分析
入力や計算によって作成したデータを利用して、経営判断や分析を行うことは人が行わなければなりません。逆に言えば、AIやRPAによって作成されたデータを確認した上で、そのデータに基づいて判断や分析に生かすことができます。今後の経理においては、単純なルーティンワークよりも、集めたデータを活用した判断・分析の比重が大きくなる可能性が高いでしょう。
AIやRPAを使いこなす
AIやRPAを有効活用するためには、使い方に精通していなければなりません。そのため、これらを適切に扱うITスキルも必要になると考えられます。IT人材は将来不足すると予測されているため、経理に加えてITの知識や操作の経験を積んでおくことで、長く必要とされる人材となるでしょう。
最新の情報や知識を蓄える
経理業務を行う上で、最新の税制や法律を理解しておくことは大切です。そのうえで、AIやRPAが対応できるよう手を加えていかなければなりません。そのためには、ITスキルに加えて最新の情報に精通し、日々知識を蓄えていくことが求められます。
まとめ
技術は進んでも、経理の仕事が完全になくなるとは現時点では考えにくいでしょう。ただし、経理業務が現在の形ではなくなることは覚悟しておく必要があります。AIか人間のどちらかではなく、AIやRPAを経理業務の強い味方としてとらえ、うまく使いながら効率的に業務を回していくことを考えましょう。そして、人間は単純な作業ではなく、深い知識を用いた判断や分析など、より高度な業務を行う役割にシフトしていく必要があります。