経理お役立ちブログ
2023/2/4
経理業務のアウトソーシング(経理代行)でコスト削減は可能になる?
経理業務のアウトソーシング(経理代行)を考えるとき、気になるのはその費用ですよね。
自社で直接雇用するときと比べて費用が安いのか、高いのかを考えるためには、まず、経理人材を直接するときのコストがどれくらいかかっているかを知っておく必要があります。
今回は経理業務のアウトソーシング(経理代行)をするとコスト削減が可能なのかどうかについて解説します。
経理人材を自社で雇用するときのコストは意外に高い!
経理業務のアウトソーシング(経理代行)でコスト削減が可能かどうかを考える前に、まずは経理人材を自社で雇用するときのコストを把握しておく必要があります。
経理人材を自社で雇用するとき、本人の給料・賞与や社会保険料などの法定福利費がかかることまではすぐにわかると思いますが、それ以外にも様々な費用がかかっていることを知っておきましょう。主なものは次のとおりです。
・採用コスト
経理人材を募集するときのコストです。
成果報酬型の人材エージェントを利用すると、想定年収の30%~40%の手数料がかかります。求人媒体に掲載する場合にも、媒体への掲載費が数十万円かかります。
採用のための面接をするにも人件費がかかっています。
特に最近は経理人材が不足していると言われていますから、採用コストも従来と比べて多くかかる傾向にあります。
(関連記事)経理人材が不足する原因は?その解決策は?
・新人社員を育成するためにかかるコスト
経理人材を採用した後、単独で業務ができるようになるまでの間の育成にも、育成者の人件費などがかかります。
・退職時の業務引継ぎにかかるコスト
経理人材が退職することが決まり、新しく入ってきた人に引き継ぎを行っている期間は、人件費が二重にかかります。
・経理人材を管理監督のためのコスト
誰かが経理人材の管理監督をしなければなりません。人事評価なども必要となるでしょう。上司が経理人材を管理監督するための人件費もかかります。
・その他の間接コスト
社内で仕事をするためのオフィスの家賃、水道光熱費、パソコンなどの消耗品費、福利厚生費、その人の給与計算などの作業をするためのコストなど、間接コストもかかります。
・遊休時間のコスト
経理人材を自社雇用をして、常時仕事がある状態であれば、遊休時間は発生しません。しかし、閑散期と繁忙期があり、閑散期はそれほど仕事がなくて遊休時間が発生するような場合でもその間の人件費は発生しています。
このように自社で経理人材を直接雇用する場合には、多くのコストがかかっているのです。考えていたよりもたくさんのコストがかかっている、と感じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このことを理解した上で、アウトソーシングのコストを検討しないと、正しい結論が得られない可能性があります。
経理業務のアウトソーシングでコスト削減効果はあるのか?
アウトソーシング会社の場合も、コスト構造は同じようになりますし、アウトソーシング会社も利益を獲得しなければなりませんから、全く同じことをアウトソースすれば、自社で経理人材を雇用するときに近いコストは必要となってくるでしょう。
しかし、アウトソーシング会社は、専業であるため業務を効率的にこなすノウハウを持っていますし、同じ職種で大量に採用をかけることができますから採用や育成にかかるコストなども下げることができます。時期による業務量のバラツキも多くの会社を抱えていれば、調整できます。そのため、場合によっては、アウトソーシング会社の方が安くなることもあります。
また、経理人材を一人雇用したとしても充分な作業量がない場合には、アウトソーシングを活用すればコスト削減が可能となります。
人材派遣とアウトソーシングではどちらが安くなる?
人材派遣の場合、派遣会社から派遣される社員は、派遣先で派遣先の従業員の指示の下に作業を行います。そのため、管理監督コストやその他の間接コストは派遣先で発生することになります。
アウトソーシングの場合は、それらはアウトソーシング会社で発生しますし、アウトソーシング会社は業務の品質にも責任を負っていますから、品質管理のためのコストも発生します。
そのため、通常はアウトソーシングよりも人材派遣の方が安くなるものと考えられます。
ただし、そもそも業務の性質が違うために単純に費用だけで比較することができないものです。自社で必要とする業務の内容に応じて、アウトソーシングと人材派遣を使い分けするとよいでしょう。
(関連記事)アウトソーシングと人材派遣の違いやメリット・デメリットについて解説
経理業務をアウトソーシング する目的が重要
結局のところ、経理業務のアウトソースをすれば、コストが安くなることもあれば高くなることもあり、一概には言えません。アウトソーシング会社やアウトソースする業務によっても異なってくるでしょう。
コスト削減が唯一の目的であれば、徹底的にコストを比較したり、アウトソースする業務を選別して、最も安くなる方法を採用すべきでしょう。
しかし、経理業務のアウトソーシングにはそれ以外にも様々なメリットがありますから、どの目的に重点を置くのかを考えて、アウトソーシングするかどうかを検討する必要があるでしょう。
(関連記事)経理業務をアウトソーシングするメリット・デメリット
まとめ
経理人材を自社で雇用するときのコストやアウトソーシングによるコスト削減効果などについて解説しました。単純にアウトソーシングすれば安くなるということでもありませんが、自社で直接雇用しているときは直接人件費以外にも様々なコストがかかっていることを理解しておきましょう。そして、どの目的に重点を置くのかを考えてアウトソーシングするかどうかを決めるとよいでしょう。