経理お役立ちブログ
2023/1/26
経理のペーパーレス化を進めるには?方法やポイントを押さえよう
経理業務では、様々な書類を多く扱います。書類の管理には多くの手間や時間がかかり、業務を圧迫している場合も少なくありません。そのため、ペーパーレス化を進めたい会社も多いでしょう。この記事では、ペーパーレス化を行うにあたり理解しておきたい必要性や風潮、具体的なペーパーレス化の方法やポイントを解説します。
ペーパーレス化の必要性
技術の発展によって、ペーパーレス化に役立つサービスやシステムが多く登場しています。ペーパーレス化することで得られるメリットは多く、国も普及を後押ししています。具体的に見ていきましょう。
多くのメリットがある
ペーパーレス化のメリットには、以下のようなものがあります。
・印刷代・紙代がかからない
・保管場所を取られない
・必要な書類を素早く見つけられる
・業務に掛かる時間を短縮できる
・人件費を削減できる
結果として、大幅なコスト削減や業務効率化に繋げられます。
国によって推進され、義務化されたものもある
ペーパーレス化は国によって推進されています。2022年1月には「電子帳簿保存法」が改正され、書類のデータ保存の要件が緩和されました。特に、オンラインでダウンロードした書類やメールで受け取った書類は、データ形式での保存が義務化されています。紙での保存が認められなくなったことに衝撃を受けた方も多くいたでしょう。今後もペーパーレス化の流れは加速し、主流になっていくと考えられます。
ペーパーレス化の方法は?
ペーパーレス化したいと思っていても、何から始めればいいかわからない方もいるかもしれません。ここでは、ペーパーレス化に向けて行う具体的な取り組みについて紹介します。
電子帳簿保存法について理解する
電子帳簿保存法は、データ形式で書類を保存するための要件を定めたものです。そのため、電子帳簿保存法に沿ってペーパーレス化を進める必要があります。電子帳簿保存法には、以下の3つの保存方法が定められています。
保存方法 | 概要 |
電子帳簿等保存 | 会計ソフトなどを用いてデータとして作成した帳簿・書類を、 データのまま保存すること |
スキャナ保存 | 紙で受け取った書類をスキャンして、データの形で保存すること |
電子取引データ保存 | 電子メールやオンラインシステムによってデータで受け取った書類を、データのまま保存すること |
それぞれの保存方法には、満たすべき要件も定められています。そのため、まずは電子帳簿保存法を理解しておくことが不可欠です。要件は細かいため、税理士や会計士などの専門家に確認しながら進めるといいでしょう。
(関連記事)電子帳簿保存法とは?内容や対応の要点を分かりやすく解説します
ペーパーレス化に有用なシステムや仕組みを利用する
利用することでペーパーレス化を進められるシステムや仕組みは多く登場しています。
・経費精算システム
・帳票発行システム
・e-Tax、eLTAX
・キャッシュレス決済(クレジットカードなど)
経費精算システムや帳票発行システムを使うことで、紙を使うことなく経費の申請や書類の作成・発行ができるようになります。クラウド型のものも多く、会計ソフトと連携できればさらに効率的に業務ができます。経費精算や請求書や納品書などの発行が負担となっている場合は、検討するといいでしょう。
(関連記事)ペーパーレス化や業務効率化に役立つ帳票発行サービスとは?
e-Taxは国税に関する手続きを、eLTAXは地方税に関する手続きをオンラインで行えるシステムです。ペーパーレス化に加えて、税務署や金融機関に出向くことなく税金の申告や納税ができます。利用するには、あらかじめ利用者IDの取得やソフトウェアのダウンロードなど、事前準備が必要です。
旅費交通費や接待交際費などの経費を使う場合は、法人のクレジットカードや交通系ICカードで支払うことで、経費精算の申請が不要になります。利用情報が残るため、社員から領収書を受け取って処理をする必要がなく、経理の負担も軽くなるでしょう。小口現金の処理もなくなり、ペーパーレス化以外のメリットも期待できます。
(関連記事)法人クレジットカードは経理業務の効率化に必須!メリットや注意点など
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ペーパーレス化のポイント
ペーパーレス化は、ただシステムを導入したり、仕組みを変えたりすればいいという訳ではありません。実際に取り組む前に確認すべきことや、取り組みの中で行うべきこともあります。ここではペーパーレス化に必要な3つのポイントを紹介します。
1.解決すべき課題を明確にする
やみくもにペーパーレス化に取り組むのではなく、現状を把握し、ペーパーレス化によって解決したい課題や、効率化したい業務などを明確にしておくことが大切です。そうすることで、自社に合った取り組みを行うことができます。
ペーパーレス化に取り組む中で、具体的にどの書類がデータで扱われることになるのか、それに伴い業務フローや手順はどのように変わるのかも考えましょう。
2.社内の意識を変える
書類は紙でなければならないという思い込みや、データで扱うことへの抵抗を持つ社員もいるでしょう。経費精算をペーパーレス化する場合は、それぞれの社員が申請を行うため、経理以外の社員への周知も必要になります。「紙の方が慣れていて簡単だから」と思う方もいるかもしれませんが、ミーティングや研修の機会を設けて徐々に慣れてもらうようにしましょう。
3.セキュリティ対策を万全にする
ペーパーレス化にクラウド型のシステムを活用する場合は、セキュリティ対策も必要です。オンライン上で扱う以上、情報漏洩のリスクはゼロではありません。社内で対応するか、外部に委託するか、委託するならどこへ任せるかなど、しっかりと打ち合わせを行いましょう。
まとめ
ペーパーレス化を進めやすい環境が整ってきていますが、まだ対応できていないという企業も多いでしょう。しかし、ペーパーレス化の流れは加速しており、避けては通れません。さらに、ペーパーレス化することで大幅な経理業務の効率化が見込めるため、前向きに検討して自社に合った対応をしていきましょう。