経理お役立ちブログ

2022/12/29

経理業務の効率化を図る記帳代行(記帳アウトソーシング)とは?

大事な経理業務の一つに記帳があり、記帳を外部に委託することを記帳代行(記帳アウトソーシング)といいます。今回はこの記帳代行(記帳アウトソーシング)の概要、メリットなどについて解説します。

 

記帳代行(記帳アウトソーシング)とは?

会社などは株主への報告や税務申告のために必ず会計帳簿を作成しなければなりません。

記帳とは会社などが行った取引を会計帳簿に記録することをいいます。

 

今は、ほとんどの会社で会計ソフトを使って帳簿を作成していますから、取引を会計ソフトに入力していく作業となります。

 

この記帳を外部に代行してもらうことを「記帳代行(記帳アウトソーシング)」といいます。

 

会社が行う取引のすべてを委託することもあれば、一部分だけを委託することもあります。

 

 

 

一般的な記帳代行の流れ

一般的な記帳代行の流れは次のとおりです。

 

1.取引に関する資料を委託先に送付する

週末、月末など予め決めておいたタイミングで、その期間中の取引に関する資料(通帳コピー、領収書や請求書など)を取りまとめて委託先へ送付します。

資料を郵送することもあれば、メールやクラウドストレージサービスを使ってデータを送付することもあります。

 

 

2.委託先が記帳を行う

委託先は、受け取った資料をもとに、会計ソフトへの入力(記帳)を行います。

不明点などがあれば、都度、確認を受けることになります。

 

 

3.試算表などの成果物が提供される

委託先から成果物として試算表などが提供されます。

試算表をもとにして経営管理資料の作成なども委託先が行うケースもあります。

 

1~3の期間は取引量や契約によってマチマチです。一か月分をまとめて処理するのであれば、1週間から数週間はかかることになるでしょう。

 

 

 

記帳代行を依頼するメリット

メリット1:時間を節約し、本業に集中することができる

自社で記帳するには簿記の知識を持った者が、時間をかけて処理する必要があります。

記帳代行を依頼するとその分の時間を節約することができ、本業に集中することができます。記帳業務を行う者を採用・育成する手間もかかりません。

 

メリット2:記帳のミスが減る

委託先は記帳のプロであり、ノウハウを持っていますから、ミスのない正確な会計処理を期待することができるでしょう。

 

メリット3:安定してサービスが提供される

自社で記帳をしている場合、例えば、担当者が突然退職すると困ることになります。それが決算に近い時期であれば、決算・申告が間に合わなくなる可能性もあります。

退職がなくても、担当者の業務が忙しくなれば、タイムリーに記帳を行うことができなくなるかもしれません。

この点、記帳代行を依頼していれば、委託先は契約を遵守しますから、そのような心配はなくなります。安定したサービスの提供を受けることができます。

 

 

 

記帳代行の依頼先の見つけ方

記帳代行サービスは、アウトソーシング会社や税理士事務所(税理士法人を含む)などが提供しています。
どちらの品質が高くてどちらの品質が低い、というような傾向は特にはないでしょう。

 

アウトソーシング会社であれば、記帳代行以外のアウトソーシングサービスも提供しているでしょうから、記帳代行と合わせて別の業務もアウトソーシングすることで、業務の効率化を図ることもできます。

 

税理士事務所の場合は、アウトソーシング会社と比べると、サービスのラインナップは多くないと思われます。その一方で、税務的な判断を行ってもらったり、税務代理・税務申告も依頼することができます。

 

税理士事務所が併設しているアウトソーシング会社もあり、そのような場合は両方のメリットを受けることができます。「みんなの経理部」を運営するみんなの会計ビジネスサポート株式会社も、母体が大阪の税理士事務所(みんなの会計事務所)ですから、両方のメリットを受けることができます。

 

 

 

税理士以外が記帳代行を行っても税理士法違反とはならないの?

税理士法では、「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の3つ業務について、税理士以外が行うことを禁止しています。

記帳代行は、上記の3つの業務に分類させませんから、税理士事務所や税理士法人以外のアウトソーシング会社などが行っても税理士法違反にはなりません。

ただし、記帳代行に付随して、税務相談など上記に該当する行為をした場合は、税理士法違反となる可能性があります。

 

 

 

記帳代行の料金は?

多くの記帳代行サービスでは、売上高や取引量(仕訳数)によって料金を決めています。売上高や取引量が多いほど、料金は高くなります。

 

また、次のようなケースではオプション料金が必要となることがあります。

・領収書などの資料の整理を行う場合

・部門別会計が必要な場合

・輸出入取引、外貨取引がある場合

・成果物の提供を急ぐ場合(特急料金)

・経営管理資料の作成を依頼する場合

 

記帳代行を行っていない税理士もいますし、記帳代行の委託先と顧問税理士は別でも構いません。

しかし、税務申告は会計帳簿をもとにして行うものであり、記帳と税務申告は関連する業務ですから、税理士事務所に記帳代行を委託するのであれば、税務顧問も一緒に依頼した方が効率的です。

記帳代行の委託先と顧問税理士が別であれば、両方に資料を送るなどして情報を提供しなければなりませんが、一緒であれば一か所に提供すれば済むことになり会社側の負担も減るでしょう。

 

 

 

記帳代行と経理代行(経理アウトソーシング)の違いは?

記帳代行とは、経理業務の一部である記帳業務(主に会計ソフトへ入力し、会計帳簿を作成する業務)を外部のアウトソーシング会社が代行することをいいます。

一方、経理代行とは、記帳業務以外の経理業務(例えば、請求管理、支払管理、給与計算など)の全部または一部を、外部のアウトソーシング会社が代行することをいい、記帳代行よりも対象となる業務範囲が広くなっています。

経理代行のうち、記帳業務を委託することを記帳代行といいます。

(関連記事)必要に応じて使える経理業務のアウトソーシング(経理代行)

 

 

 

まとめ

記帳代行(記帳アウトソーシング)について解説しました。記帳代行をうまく活用すれば経理業務に関する負担を大きく減らすことができます。記帳でお困りの場合は、解決方法の一つの手段として検討してみてください。